産後の腰痛 ~痛み部位別の対処方法~

産後多くの方が悩む『腰痛』

腰が痛くて育児がつらくなってしまう方もいらっしゃいます。

出産してから何年も悩みを抱えてしまう方もいらっしゃいます。

産後の腰痛について詳しくご説明していきます。

仙腸関節(骨盤の溝)の痛み

仙腸関節の痛みの部位

仙腸関節の痛みはお尻のあたりの痛みを言います。

一般的に下肢にも痛みが出現することが多くあります。

 

動作の中では体を沿ったり、曲げたりする動作で痛みが出たりします。

歩行時にも痛みが出る方もいらっしゃいます。

「腰が抜けるような感じ」とおっしゃる方もいます。

あぐらや添い乳などで横向き(側臥位)などでも痛みが出ることがあります。

仙腸関節の場所

仙腸関節の場所は図を見ていただけると

お分かりになるかと思いますが左右に2つあります。

仙腸関節は上半身の大きな荷重に耐えられるように出来ていて

関節といえどもほとんど動きません。

また周囲は腸腰靭帯で強固に固定されて安定性を確保しています。

 

仙腸関節の痛みの原因

出産時にはホルモンの影響で仙腸関節が動くようになシステムがあります。

産後3か月から6か月かけて徐々に痛みは落ち着いてきますが

その産後の間に生活に及ぼすほどの仙腸関節の痛みを感じる

産後の女性がいらっしゃるので

ほっとかず専門家に見てもらうことをお勧めします。

 

仙腸関節の痛みの原因

骨盤が不安定な産後の期間に左右非対称な状態が

多くあると痛みの誘発に繋がります。

例えばこんな写真のように赤ちゃんを

腰に引っ掛けるような抱っこも原因となります。

腰に負担のかかる抱っこ

猫背ばかりで作業していると背骨の動きが悪くなり

骨盤にも影響をもたらしますので注意が必要です。

 

仙腸関節の痛みの対応

仙腸関節の痛みは骨盤ベルトが有効です。

骨盤ベルトは一時的には痛みの改善となりますが

継続して使うとデメリットもあります。

骨盤ベルトQ&Aの記事に詳しく記載していますので読んでください。

 

腰背部の痛み

腰背部痛の痛みの部位

腰背部痛は主に背骨に沿って腰の一番くびれたあたりに痛みが出ます。

脊柱起立筋や多裂筋など背骨に沿ってついている筋肉の緊張が高くなります。

 

腰背部痛の原因

産後は妊娠中と大きく姿勢が変化します。

体の前方と後方でバランスをとることが難しくなり腰痛を引き起こします。

 

腰はインナーマッスルを使って腹圧が安定するようにできています。

横隔膜・腹筋・多裂筋・骨盤底筋の4つを使うことで体幹を安定させています。

産後は会陰切開や経腟分娩などにより骨盤底筋が弱くなりやすかったり

また帝王切開などの影響で腹筋が弱くなりやすい状態です。

産後は腰を曲げて作業することが多かったり

この4つの筋肉をしっかり働かすことができないために

腰背部痛が起きます。

 

腰背部痛の痛みの対応

弱くなっている骨盤底筋の収縮を促したり

腹筋の促通が必要です。

骨盤底筋の収縮はお一人でできない方も多く

自分でしっかり働かせていると思っていても

実際はほかの筋肉を使ってしまっている場合もあります。

また腹筋ですが下のような頭上げの腹筋は余計に体にダメージを与えるので

お勧めはできません。

きちんとした産後のプロに見てもらうことをお勧めします。

梨状筋(臀部)の痛み

梨状筋(臀部)の痛みの部位

梨状筋(臀部)の痛みはお尻の筋肉の奥あたりの痛みを感じます。

梨状筋の痛みの原因

お尻の筋肉が硬くなることで起こります。

梨状筋の下に走る坐骨神経の圧迫により痛みを感じます。

そのためお尻が硬く張っていたり

むくんだりすると坐骨神経が圧迫され痛みが出現します。

スポーツをしている方も良く痛めます。

立っているときにつま先が外側に向いた状態をいつもとっていると

梨状筋が硬くなり神経が圧迫されやすくなります。

また、過度に内股になっていたり、

骨盤が前傾が強いと立っているときの梨状筋の負担が増え痛みの原因となります。

梨状筋の痛みの対応

梨状筋の痛みの対応としてはストレッチが有効です。

  1. 椅子に浅めに腰掛けます
  2. お尻に痛みがある方の足の踵をもう片方の膝の上に乗せます
  3. 背中を曲げずゆっくり上半身を前方に倒します。

 

  ここではしっかりお尻がのびていることを感じます。

  ポイントは腰を背中を曲げず青い線のように

  腰と背中が一直線になるように倒すことです。

  30秒から90秒かけて伸ばすことが大切です。

尾骨の痛み

尾骨の痛みの部位

尾骨の痛みはお尻の真ん中あたりの痛みを言います。

 

尾骨の痛みの原因

座っているときや寝ているときに骨が当たり痛みがある方は

腰や胸の脊柱のバランスが崩れ

尾骨や仙骨のあたりが飛び出しているように感じる状態となっています。

また、骨が当たらないけど痛みがある方は

腰椎など脊柱とのバランスと骨盤の傾きのバランスが崩れて

尾骨が引っ張られて痛みが出ている場合もあります。

 

尾骨の痛みの対応

骨盤ベルトで骨盤を固定し安定されると一時的に痛みが軽減するかたもいらっしゃいます。

継続して使うとデメリットもあります。

骨盤ベルトQ&Aの記事に詳しく記載していますので参考にされてください。

また骨盤底筋エクササイズが有効なこともあります。

まとめ

産後の腰痛は出産後の女性に多く聞かれるトラブルです。

産後の回復過程で徐々に良くなっていく場合もありますが

普段の生活が難しくなる場合もあります。

また普段の生活の癖が影響している場合もありますので

放置せず専門家に見てもらうことをお勧めします。

店舗紹介